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ウミウシ
軟体動物門腹足綱(巻貝の仲間)
ダイビングと言えば、サメやマンタなどの大きい生物が注目されがちですが、『海の宝石』とも呼ばれるウミウシ(海牛)もダイバー達に大人気の生物です。
昔は、ウミウシと言うと、「海牛」と変換されてジュゴンやマナティーなどの水生哺乳類を想像されたり、ウミウシの仲間であるアメフラシを思ってか「ナマコ」と勘違いされたりしていました。(アメフラシはナマコではないのですが。。)
しかし、世界中に分布しているウミウシはここ数十年でポピュラーになりました。図鑑や写真集が出版されて人気があります。
海の宝石 ウミウシ
その模様は様々でガラス細工の様に美しい物もいれば、ブローチのようにお洒落にピッタリなものもいてまさに海の宝石と言われことが分かります。
生態
しかし宝石と言ってもウミウシは『軟体動物』です。実際の体は思いのほか柔らかく、水から出すと頭部のツノや背中にある花びら型の鰓などの細かいパーツは全て体に貼りついて、見るも無残な姿になってしまうます。浮力のある水中だからこそ叶う美しさなのであり、海の中でこそ輝く生物なのです。(2015年に初めて陸で暮らすウミウシの仲間が発見されるなど、例外はあります。)
巻貝の仲間!?
プランクトンとして過ごす子ども時代には、他の巻貝の子どもと同じ形をしています。しかも、この頃は貝殻を背負っています。大人の姿に変わる時が来ると、貝殻を脱ぎ捨てるか、体に吸収するなどして貝殻から解放されるのです。「ウミウシ」という呼称は、貝殻がないか、あっても目立たない巻貝の仲間に対して広く使われています。
貝殻のない巻貝のうち、陸上にいるのがナメクジ、海にいるのがウミウシだと思ってもほぼ間違いないです。ただし、両者は分類上少し遠い関係にあります。その証拠の一つとして、目の位置が違います。ナメクジはカタツムリと同じでツノの先端に目があるが、ウミウシの目はツノの根元にあります。
さらに、目が見当たらない種類も多く、あんなに派手な色をしているのに、本人には目がないというのも不思議ですね。
種類によって食べるものが違う
ウミウシの食性は多様で、人間のように様々な種類のものを食べるという意味ではく、種によって食べるものが大きく異なります。
例えば海藻、カイメン、コケムシ、クラゲ、ヒドロ虫、ヨコエビ、ゴカイ、ホヤ、クモヒトデ……。中には、ウミウシの卵を食べるものや、他のウミウシを食べるウミウシまでいます。そして、例えば海藻を食べる種であっても、特定の数種類の海藻しか食べないという偏食家タイプが多くなんか人間みたいです。そうかと思うと、砂地に住むウミウシでは、分類群をまたぐ様々な動物を手あたり次第食べてしまう雑食のものもいます。とにかく色んなタイプがいますね。
名前は日本語だけじゃないのはなぜ?
お写真で紹介しているのは全てプーケット近郊やピピ諸島で撮ったウミウシたちです。日本語で名前がついているのもいれば何やら日本人には発音しずらいのもいます。それは世界中に分布しているウミウシにその土地の名前がついているからです。「ラテン語」「フランス語」「ギリシャ語」など様々です。
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